難民ビザとは 人手不足の日本企業と就労したい外国人を結ぶ?

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難民とは「紛争や暴力の蔓延によって迫害の恐れがあり、国を逃れた人々」のことを指します。

しかし、現代の日本では、本来の難民には当たらないと思われる外国人の難民申請が急増しています。

日本での就労を目的として難民申請をする外国人たちです。

そのための在留資格の名が通称「難民ビザ」。

違法ではないが、本来の趣旨から逸脱した、難民ビザの実態について解説します。

少数の難民認定に対し急増する難民申請数

・難民申請数の推移

難民認定申請数の推移

・難民認定者数の推移

難民認定者数の推移

法務省が公開するデータによると、ここ9年(2009~2017年)の難民認定は平均で30人弱。

その一方で、難民申請者数の平均は6,000人を超えます。

しかも、2017年は19,628人にもなります。

この数は2012年の10倍にあたり、ここ2年ほどで急増しています。

難民申請者の目的は日本での就労

多くの外国人にとって、経済的に豊か、あるいは特定の分野で技術的に優れた日本での就労はまだまだ魅力的なもの。

しかし、閉鎖的な日本で就労するための資格を得るためには…

  • ハードルの高い永住者や高度人材(日本語能力や特定の分野での技術・知識の高さを要する)になる
  • ハードルは低いが制限の多い技能実習生(職場を変えられない)や留学生(週に28時間という労働時間の制限)になる

といった両極端な選択しかありません。

そんな中、難民申請をするだけで、制限なしに職業選択もできるのが難民ビザという方法です。

この難民ビザがアジアを中心に拡がっているのです。

難民ビザが拡がる背景

深刻な人手不足に悩まされる日本。

現在、120万人の人手不足、2030年にはさらに300万人の労働力がいなくなると言われています。

「働く人がいない」という理由で倒産・廃業に追い込まれる企業もあるほどです。

いまや人手不足は都市部から地方まで、あらゆる産業に拡大しています。

そんな日本の企業と、日本で働きたい外国人を結ぶのが難民ビザなのです。

働きたい外国人がいて、受け入れたい企業がある。

現行の制度で、この関係の橋渡しをするのが、難民ビザしかないのです。

難民ビザの外国人を派遣する会社も

外国人でもいいから働き手が欲しい企業がたくさんある現状ですから、そんなニーズを満たす派遣・紹介・仲介する企業も登場しています。

難民ビザを取得する流れ

難民ビザを取得する流れ

まず、観光客として訪日します。

そして、すぐに難民申請をします。

難民申請をすると、結果が出るまでに時間がかかるのですが、

現在の日本の制度では、結果が出るまで生活のために働くことが認められています。

また、仮に難民と認められなくても再申請すれば、また働けるようになります。

この方法を使えば、平均で2年半ほどは日本で働けます。

難民ビザの在留カード

NHKクローズアップ現代の取材によると、難民申請中の在留資格は「特定活動」と思われます。

日本にいる外国人数の在留資格別ランキングで「特定活動」が9位にランクインしており、その数が64,776にもなる理由が理解できます。

この制度の抜け穴とも言うべき難民ビザによる就労手段が、SNSなどを使ってアジアに広がっています。

難民申請者の国籍ランキング TOP10

2017年の難民申請者の国籍ランキング上位10ヶ国です。

本来、難民が多いのは、シリアなど紛争の多い国や・地域です。

しかし、日本に難民申請しているのは東南アジアの国ばかりで、ベトナムなど経済成長著しい国からの難民申請も多いです。

順位 国籍 人数
1位 フィリピン 4,895
2位 ベトナム 3,116
3位 スリランカ 2,226
4位 インドネシア 2,038
5位 ネパール 1,451
6位 トルコ 1,195
7位 ミャンマー 962
8位 カンボジア 772
9位 インド 601
10位 パキスタン 469

どんな理由で難民申請をしているのか

入国管理局によると…

  • 借金の返済ができずに迫害される
  • 友人とのいさかいにより殺害される
  • 不倫をして暴行や脅迫をうける

など、本来の難民の定義に当たらない理由がほとんどです。

技能実習生が難民ビザに走るケースも

在留期限が満了になった技能実習生が、帰国せずに難民申請をするケースも増えています。

その背景に…

  • 技能実習中は給料が低い
  • 技能実習中は会社を変えられない

などの理由が考えられます。

難民ビザに対する政府の対応

本来の趣旨から逸脱した難民申請に対し、入国管理局でも運用の見直しをしました。

難民申請から2ヶ月以内に簡単な審査を行い「明らかに難民ではないと思われる場合は、就労も滞在も認めない」という対応を開始しました。

この運用見直しの結果、2018年の1~3月の難民申請数が前年同月比で13パーセント減りました。

とは言え、日本にもニーズがあるから成立してしまうのが難民ビザ。

これを補うため、2018年の6月に外国人労働者受け入れ拡大に向けた新たな在留資格の検討が発表されました。

いよいよ「共に生きる」ときが来ている

現代日本において、これからの日本において、外国人の労働力というのはとても重要なものです。

頼っているのに、支えられているのに「難民」なんて言葉を使わざるを得ない現在の制度のあり方には違和感を覚えます。

家族の帯同が認められるにも、高いハードルを要求されます。

今、私たちが住んでいる住宅も、食べているものも、外国人たちの働きに支えられるいるのです。

いよいよ、日本を選んでくれる外国人たちに対し、単に労働者としてではなく「共に生きる家族」という姿勢を見せる時が来ているのではないでしょうか。

出典:
自称難民が急増!? 超人手不足でいま何が? - クローズアップ現代 2018年6月6日
難民認定申請数と認定者の推移 - 法務省
難民認定者数等について - 法務省




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